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コメント#8 和久田善彦
ブンブカドコドコと客席を練り歩きながら登場、ステージいっぱいに所狭しと並ぶ大所帯は、時にはフロアにそのまま降り立ち客席を巻き込んでの大騒ぎ! そんな彼らのライヴの楽しさをパッケージした1stアルバムは、これまでにCD-Rで発表してきたものと同様、彼らのホームである神戸のライヴハウス(+大阪でのスタジオライヴ)での録音。
冒頭から名曲「管打団、西へ」のスケール感と雑多で開放的なメロディに圧倒されたかと思いきや、管で奏でるリズム吹奏曲から、即興、ルイス・ゴンザーガ、ジョアン・ドナート等のカバー(素晴らしい!)、さらに山科のご当地音頭で老若男女有無を言わさず踊らせる。まさに節操なしのようでいて、得体の知れない多幸感に包まれる内容だ。
爆走しながらも陽だまりを思わせるような柔らかさは、メンバーの3分の2が女子という編成に加え、半数以上は故・大原裕(tb)が率いて大らかなムードを持ったブラバン、リブ!ラフ!出身ということも大きいだろう。さらにトランペット、口琴、ゲームボーイに掃除機までを操る、リーダー的存在の森本アリの人柄が滲み出ているかのようだ。
編成の割には、音の大きさや圧力は薄いかも知れない。しかしそこに浮かび上がる魅力は、音楽性云々さえ超越したメンバーの笑顔に他ならない。裏ジャケの素晴らしい写真が全てを象徴している。

和久田善彦

Music Magazin 2006年9月号の新譜レヴュー(p.142)の載せられた文章を和久田くんの許可をもらって、転載します。載るらしいとチラッと聞いてたのだけど、立ち読みしてビックリ。
半ページ使って紹介してくれてる、そして、文章が素晴らしい!泣きそうになり即レジに持っていきましたよ。「得体の知れない多幸感に包まれる」なんて!ありがとうございます!  (アリ)
by mitamurakandadan | 2006-07-22 19:24
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