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コメント#4 吉本秀純
三田村管打団?は、近所の知り合いに「ちょっと面白いブラバンやってるから今度観に来て」と誘われてフラッと行ってみたら、ちょっとどころではない創意とセンスに満ちた音に“!”となってしまい、終演後に感想を問われても咄嗟には「よかったですよ」という常套句しか出てこなくて悔しいような、でもその虚を突かれた感じが妙に嬉しいような ──そんな楽団である。
女子率高めの編成で油断させておいて、スウィング・ガールズがリベレーション・ミュージック・オーケストラに取り組んだような音を平然とやる。かつて故・大原裕(tb)が率いたLIVE! LAUGH!の遺伝子を感じさせるサニーなラテン調から、ブラジル音楽の古層に息づくブラスの響きを鮮やかに引き出したルイス・ゴンザーガの秀逸カバー、サン・ラやAEOCを思わせる旋律や集団即興もチラ見させるが、腕組みして聴きがちになってくると山科音頭の大合唱で手拍子を誘う。東欧ジプシーのブラス・バンドにすら既聴感が漂ってしまう今にあって、この作品には、神戸の中古盤屋の片隅に眠っていた、戦前のカリブ海で活動していた無名の楽団のSP音源にレコード針を落とした時に似たスリルと“発見”がある。
ローカルとグローバル、プロとアマチュアの境界線を無邪気に引っ掻き回しながら、三田村管打団?は出会った人々の耳を“?”か ら“!”に更新する行進(マーチング)を極めてマイペースな足取りで続けて行くのだ。

吉本秀純

ミュージックマガジン、スタジオヴォイスなどで執筆してる音楽ライター。非常に振り幅の広い音楽を聴いてる、流石の三田村の音楽性の多様性を見事に文章にしてくれた。感謝。三田村のライブにもよく来てくれてる。毎回的確な批評をしてくれるありがたい人(アリ)
by mitamurakandadan | 2006-07-22 18:52
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